おはようございます。シクロツーリズムたたら 代表のTakahiroです。

さて、台風も本州に上陸せず、相変わらず遅い速度ながらも日本から遠ざかる形で移動しております。危惧された風の被害もそれほどではなかったようです。雨も適量降ったということで、雨の少ない地方には申し訳ないと思いつつも、今回ばかりは台風さまさまだったのではないかと思われます。

まあ台風と無理くり関連付ける訳ではないのですが、非常時の連絡手段として有効と思われるものがあります。私も日頃、通信の趣味として使用しているデジタル簡易無線です。無資格で登録のみすれば使用可能な無線機ですが、出漁も5Wと無資格で使用できる無線としては最大級の出力で、かつ外部にアンテナを取り付けることが認められているので、屋根の上に設置をするだけでもかなり遠くとの通信を保証することになります。ちなみに私はアマチュア無線用のコンクリート柱に設置をしておりますが、無指向性のGPアンテナが地上高10mほどの高さで、およそ半径15kmほどはハンディー機との交信ができます。要は隣街あたりまで行っても大丈夫ということですね。また八木アンテナに関して言えば、同じ八木アンテナを使用するという条件付きながらも、都内のサンシャイン60や文京シビックセンターから自宅(距離およす70km)への通信が成立するなど、それこそ携帯電話以上の働きを見せることもあります。電波使用料として年額600円ほどかかりますが、当然通信料はかかりません。先日も谷川岳天神峠からの連絡も行いました。高いところにいるから当然と言えば当然ですが、はるばる80km越えの交信です。そんなのを余裕でこなします。

とは言え、このデジタル簡易無線の利点は、実は通信距離だけではないんですね。その秘匿性にこそ意味があると思います。手軽に使えるデジタル簡易無線だからこそ、混信や妨害などの対策も求められるものになります。そこでデジタル簡易無線には以下の2つの混信妨害対策が施されています。

1.秘話コード
2.グループコード

1の秘話コードですが、これは同じコード以外の人には通信内容そのものが聞えなくなるという機能です。無線は文字通り線のないものですから、電波を受信できれば基本的には内容がわかってしまいます。業務連絡等で使用する際には極秘内容も含まれるでしょうから、出来るだけ傍受されないようにしたいところですよね。その際にお互い5ケタの数字からなる秘話コードを使用し、他者に傍受されないようにすることができます。まあ仲間内でバカ話をするのにも、余り他人さまに聞かれるのは体がよくないでしょうからこの秘話コードを使用した方がいいでしょうね。

続いて2のグループコードですが、こちらはどちらかというと外側からの電波をシャットアウトするという意味合いがあります。ですから、1の秘話コードとは違い、こちらの話している内容が傍受される恐れがあります。要は、数字3ケタからなる同じグループコードを設定している者同士の通話は出来ますし、その他の者の電波は受信しなくなります。要は他から邪魔をされることがなくなるということです。

不特定の人と交信を楽しむライセンスフリー無線をしている方々は、特に1の秘話コードを設定して業務局との混信妨害を回避する方法を取っています。コードは市民ラジオ(CB)の8chの周波数である27.144Mhzにちなんで、27144が使われております。確かにこれでも混信妨害はかなり回避できますが、本音を言えば2のグループコードも合わせて設定することでさらに交信相手が特定され混信が回避されることになります。現状ライセンスフリー無線愛好家の間では、このグループコードは設定されていないケースがほとんどです。やはり業務局を除く不特定多数のライセンスフリー無線愛好家と交信するためには、ある程度ゆとりを残しておかないといけないということなのでしょう。

ただし、です。仲間内で完全に外部をシャットアウトするには、上の2つを組み合わせるのがベストです。若干混信が見込まれるような状況でも、問題なく通信が可能です。クルマ同志での連絡や、キャンプ場内の連絡、そして買い出し等キャンプ場を離れた人との連絡などに、絶大な威力を発揮するのがこのデジタル簡易無線です。無線機の値段は売価平均4万円とちょっと張りますが、それ以上に活用できるものと言えます。既にスカイスポーツや登山などでも、非情連絡手段として導入が進んでおりますが、今後無線機の値段もさらに下がり、かつ使いやすいものになっていくことが予想されます。

スマホが当たり前のこのご時世に無線ごっこは、と言われるのは承知の上で申し上げます。独自の回線を持てるというのは強みです。そこから仲間内だけの通信が可能ならば、一度導入を検討する価値はあるかと思います。ご質問とうございましたら、コメントまたはメールアドレスまでメールをお送りいただければ、遅滞なく対応させていただきたいと思います。